リスクを極限まで減らす不動産投資-抑えるべき9つのポイントー

リスクを極限まで減らす不動産投資-抑えるべき9つのポイントー

不動産投資は会社員の副業として人気があります。
本業の傍ら、さほど手をかけなくとも安定して毎月収入を生んでくれるイメージが強いからだと思います。
不動産投資を始めるにあたって事前に考えておくべきポイントを整理したいと思います。

リスクを極限まで減らす不動産投資-抑えるべき9つのポイントー

どうも。あけひらです。

 

不動産投資は会社員の副業として人気がありますね。
本業の傍ら、さほど手をかけなくとも安定して毎月収入を生んでくれるイメージが強いからだと思います。

 

不動産購入にあたってはある程度まとまった資金が必要となりますので銀行から融資を引いてローンを組んで購入することになります。
過去の不正融資問題もあり、近年はどこの銀行も融資を引き締めていますが、ある程度の頭金が用意できるのであれば不動産投資ができないことはありません。

 

また融資を引くという点においては会社員という属性の強みである社会的信用は大きな武器となります。
現在の年収や購入予定物件に対する銀行評価次第とはなりますが、頭金なしで物件購入価格全額についてローン(フルローン)を組むことも条件次第では可能となるのです。

 

ここでは、不動産投資を始めるにあたって事前に考えておくべきポイントを整理したいと思います。
これから不動産投資を始める方にとって参考にしていただけると嬉しいです。

 

不動産投資で大きく儲けようとしてはいけない

私がこの記事で想定している読者の方は、「不動産投資で脱サラ・不労所得・毎月数百万円以上の利益を得よう」とは考えていない人です。

 

会社員としての収入にプラス数十万円という現実的な数字で考えています。

 

最初から夢を壊すような話になってしまいますね。
昨今、不動産投資は一種の流行りのような雰囲気がありました。
実際に不動産投資で成功しましたといった類の書籍も多く発売されています。

 

「自分もそのような人と同じように成功を掴みたい。」

 

そのような気持ちを持たれる方も少なくはないでしょう。
もちろんその気持ちを否定したいわけではありません。

 

不動産投資は株やFX、最近の仮想通貨のような、ともすれば一発逆転のような投機性の高いものとは異なります。
瞬間最大風速的にまぐれで莫大な利益を生み出す特徴はありません。

 

不動産投資で利益を得る感覚は、毎月決まった日に決まった額が銀行口座に振り込まれるという意味で会社員とほとんど変わりません。
よくある経済的・時間的・精神的自由といったことを実現する魔法ではないのです。

 

不動産コンサルタントの成功体験は鵜呑みにしないこと

不動産投資に関心をもって調べていると不動産コンサルタントと名乗り職業をしている人も多く見かけるようになりました。不動産投資関連の書籍やインターネットでも自身の実績を公開されていますね。
セミナー集客からのバックエンドとして高額コンサル契約を販売する手法も多くみられます。
ここでも一歩踏みとどまって考えていただきたいのは、そもそも彼らは例外であるということです。

 

要するに、滅多に実現できないことを実現できたから、メディアに登場したり・書籍も出版しています。それがその他大勢に当てはまるかというのはまた別の話です。

 

置かれた環境も属性も異なる状況下で過ごしてきた方です。
それがいまの自分に役に立つのかは自分の現在地を冷静に判断して考える必要があります。
実績に圧倒されて、感情のまま勢いに任せてサービスに申し込んでしまうのは控えましょう。

 

ただし、自身の投資の問題点を理解している場合にはこの限りではありません。

 

改善方法を教えてもらうのであればコンサルを利用することはありだと思っています。
曖昧なボンヤリした質問にはそれ相応のボンヤリした回答しか得られない。

 

これを意識しておきましょう。

 

不動産投資家として徹底的に学習

不動産投資は経済的・時間的・精神的自由といったことを実現する魔法ではないと言いました。

 

ただし、物件購入に向けて、やるべきこと、学ぶべきことをきっちり踏まえた先に満足のいく結果は手に入るものと私は考えています。

 

それは大きな成功ではなく、個々人の生活サイズに見合ったものという意味です。
そのためには、不動産投資についての徹底的・圧倒的な学習は必須だと思います。
学習は成功に直接結びつくものではないかもしれませんが、失敗リスクを最小限にしてくれます。
学習の成長曲線のように、必要な知識を地道にこつこつと学び続けることで成功の女神は微笑んでくれるでしょう。
必要なことをせず、一定の結果が出る前に次々と新しいノウハウやコンサルタントなどに飛びついていても女神は全く微笑んではくれません。
楽して儲かる方法はひとつも存在しないということです。

 

では、不動産投資の成功とはどういった状態なのか?
堅実に手堅く毎月利益を上げるビジネスモデルが不動産投資であるとお話ししました。
具体的に目標とする利益はいくらを設定したらよいのか。
これは物件価格の2%の利益を年間で生み出すことを目安にするとよいと言われています。
5千万円程度の物件であれば、年間100万円(一ヶ月あたり約8.7万円程度)です。

 

思ったよりも少なく感じるでしょうか。
ただし、ここでお伝えしているのはいわゆるキャッシュフローとしての金額です。
諸経費やら税金やらを差し引いた後に純粋に手元に残るお金をさしています。

 

キャッシュフロー計算式
満室時家賃収入-(銀行返済・金利+固都税+管理費+空室家賃)
ここではあくまでも満室想定で算出していますが、実際には空室リスクも考慮して80-85%程度で計算した方が精度は高まると思います。

 

毎月約8万円の収入。

 

これを少ないとみるか十分とみるのか。
ここで少ないと感じるようでしたら、不動産投資は控えた方がよいかもしれません。

 

不動産投資は一発逆転の魔法ではありません。
一気に数百万円の利益を生み出すことは不可能です。

 

ただし、不動産投資家として黒字経営を積み重ね実績を銀行に評価されることでさらに銀行から融資を引くことは十分に可能です。

 

不動産投資とは短期的に利益を上げるものではなく、長期的視点で実績を積み属性を磨きながら物件を買い増していくことで資産形成するモデルです。
私の考える不動産投資で成功するための9の要素は次のとおりです。

 

1.満室運営を維持すること

不動産投資で利益の得られない最大の原因は空室です。
特に注意が必要なのは、中古物件の場合に不動産業者が物件書類を改竄してあたかも満室運営のように見せかけているケースがあります。

 

販売のために知り合いを入居させ、不動産を売却して数ヶ月後に退室するケース
入居者の退去時期を現時点からかなり先にみせかけているケース
などがあります。
また、属性についても入居者属性に問題があり、何ヶ月も家賃の滞納するケースがあります。

 

保証人として保証会社が加入していれば保証会社に請求すればよいのですが、そうではない場合には家賃の回収が困難になります。
※保証会社にしても保証期間の限度(たとえば最大6ヶ月など)があるため、このあたりも確認したほうがよいでしょう。
ちなみに私の所有している物件では5ヶ月家賃を滞納していた人がいました。

 

2.利回りが高いこと

新築なら8%・中古なら10%は欲しいところです。

 

中古であれば10%以上の物件を見つけることはそれほど難しくありません。
新築物件の場合に6%以下の場合が多いですが、諦めないで探しましょう。

 

3.出口戦略が明確であり、現実性が高いこと

不動産投資にあたっては個々に目的があると思いますが、一つだけ共通して理解いただきたいことがあります。

 

それは、不動産投資の成功・失敗は所有物件を売却し利益を確定して初めて確定するということです。

 

売却しようと考えた際に売れない物件を所有するということは、投資としての失敗を意味します。
売却する際にはいくらで売りたいのかは購入時点でシミュレーションしておきましょう。
また売却する時点で。所有物件の入居率が90%に満たない場合には売却が困難となる点も留意してください。

 

4.金利が低く、融資期間が長いこと

これはかなり重要なです。

 

金利は低金利で融資してもらえる金融機関から交渉するようにしてください。

 

最初は2%前半で融資をしてくれる金融機関が狙い目だと思います。
高金利の金融機関は他行で借り入れがあっても比較的寛容です。
低金利から高金利へと順番に金融機関から融資を引くことが重要です。
気をつけていただきたいのは、金利が高くても融資期間を長くできれば、結果的に利回りは高くなります。

 

たとえば、金融機関から5,000万円.金利3.0%で融資してもらった場合の年間返済額は

 

返済期間20年:約336万円
返済期間30年:約255万円
となり、80万円程度の差がでてきます。ただし、返済の利息分は多く支払うことになります。
上記の例で示すと、

 

返済期間20年:約1,650万円
返済期間30年:約2,580万円
となり、約1,000万円も余計に支払う必要が出てきます。
つまり、利回りが良い(キャッシュフローが出てる)ということで、

 

金融機関から高金利であっても返済期間が長いからという理由で融資を受けてしまうと、結果的に返済の負荷が大きくなります。

 

ちなみに、物件の表面利回りと借入金利との差のことをイーグルギャップと言います。
たとえば、利回り10%の物件であっても金利4.5%で金融機関から融資を受けた場合には、10-4.5=5.5%となります。

 

表面利回り計算式
年間家賃収入÷購入物件価格×100

 

実質利回り計算式
(年間収入-年間支出)÷(物件購入価格+購入時の諸経費)×100

 

表面利回りですから、固都税や管理費などの必要経費や空室リスクも考慮していません。
表面利回り5.5%ですから、実質利回りはここから2%程度は低くなると思います。
利回り10%として購入したはずの物件が、実質的には3%程度しか生み出さない。

 

こうなってしまうと、ほとんど利益を生み出さない物件をただ所有し結果的に負債を抱えただけになってしまいます。

 

これでは不動産投資を始めた意味がなくなってしまいます。
ひとつの目安ですが、中古物件であればイーグルギャップは10%以上になるような物件を探すようにしてください。

 

5.仕事が丁寧な管理会社をもつこと

管理会社との関係性も重要です。

 

これは実際に物件を所有しなければわからない部分ではあるので難しいところです。
ただ、思っている以上に適当な仕事をしている管理会社は多いです。

 

たとえば、
必要書類を請求してから実際に対応するまで数週間〜数ヶ月かかる
物件購入後に契約手続きに不備があることが判明し、予定外の請求連絡がある
オーナーから連絡しないと勝手な判断で修繕費用を見積もり、本来なら削減可能な費用まで請求される(しかも事後報告)
など
これらはほんの一例ですが、全て私が実際に経験したことです。
特に不動産投資を始めて間もない場合は、どんなことが起こり得るのかは実際に発生してみないと予測が立てられない部分もあります。
管理会社を変更することも選択肢にしつつ、冷静に管理会社の対応を見極める必要があると思います。

 

6.不労所得ではないことを心に刻むこと

不動産投資業は決して楽して儲ける投資ではありません。

 

戦略としても
都心部なのか地方なのか
資産性を重視するのか、利回りを重視するのか
鉄骨なのか木造なのか
一棟物件にするのか、区分にするのか
新築なのか、中古なのか
買い増しするのか、現状維持か
など物件ひとつとってみても、どのような戦略で判断することは色々とあると思います。
考えることはたくさんありますが、一つ一つはそれほど難しいことではありません。

 

不動産投資はEasyではないが、Simpleであるという考え方が大切だと私は思います。

 

7.節税目的で不動産投資をしない

不動産投資をする目的はどういったものでしょうか。

 

節税のために数千万・数億円という大金を払って物件を購入するのはメリットがないと考えています。
せっかく取り組むのであれば、長期的・安定的に家賃収入を得て、経済的に余裕のある生活ひいては経済的な自由を手に入れることを目的にしていただきたいと私は考えています。

 

不動産投資で節税ができるということは、不動産経営で赤字が生じている(利益がでていない)状態です。
不動産投資は、節税効果を抜きにして、その投資物件が不動産賃貸業という事業として黒字経営が成立するかどうかで判断しましょう。

 

8.管理能力と高い対人関係構築能力は必須

私は現在会社員として、企業のシステム開発プロジェクトのマネジメント業務に関わっています。数百億円以上の予算をプロジェクトに投資するような比較的規模の大きな会社を支援しています。

 

数多くの関連部門のステークホルダーからの要望の取り纏めや整理、外注業者の進捗管理、予算管理・課題管理など業務は多岐に渡ります。
このような背景もあり、複業では時間でお金が発生する集約労働型の仕事や常に誰かとやりとりが発生するビジネスモデルではないものと考えていました。

 

一度利益の上がる仕組みを作りあげてしまえば、あとはそれほど手間をかけずとも自動で利益を上げるビジネス。
そう考えて、不動産投資に取り組み始めました。

 

ただ、実際に取り組んでみて身に沁みて実感しましたが、不労所得などというものは存在しません。
少なくともいま一番力を注いで取り組んでいる不動産投資に関しては、本業と同じくらい手間もかかるしマネジメントスキルが求められると実感しています。
(私の投資が上手くいっていないということも大いに関係していますが。)

 

実際に私の場合では不動産投資に関しては、
物件を購入した不動産会社との管理業務についての状況確認
管理を委託している地方の管理会社への状況確認
次の物件購入に向けて融資先の銀行リサーチ
物件購入に向けての不動産業者訪問
不定期に発生する修繕時の費用削減対応
などは定常的なものに加えて、

 

収益改善に向けては、
保険屋さんと火災保険の見直しとして保険会社との調整
ガス業社とガス会社変更
共用部の蛍光灯をLEDへ変更
インターネット回線を別業者に変更
などのコスト調整は常に考えながら実行しています。

 

このように多くの人と関わり、円滑なコミュニケーションをとりながら進めていくことが苦手な方には不動産投資はオススメできないと思っています。
ただ、これは私が例外なのかもしれません。
私の場合、不動産売買時の不備・問題点が次々に明るみに出てきており、仕事中も頻繁に関係者とやりとりをしているような状況です。

 

最近ではどちらが本業か複業かわからなくなっているといっても大げさではないほどです。
不動産投資におけるリスクを理解せずに始めると、本業に支障をきたし無駄に長時間労働を招くことになる可能性がありますのでご注意ください。

 

9.本気でやる情熱をもつこと

不動産投資において、考えなければならないことはたくさんあるようで大きなポイントはこの9つくらいでしょう。

 

もちろん細かいところで押さえるべきことはたくさんありますが、まずはこの9つです。
私は全くの無知の状態から開始して現状かなり厳しい経済状況に追い込まれています。

 

せっかく複業として始めるからには利益は得たいですよね。
不動産投資は勉強してポイントを押さえた上で始めれば利益は出ます。
人それぞれ置かれている状況は異なると思いますが、自分の求める利益を得るまでどんどん物件を買い増していくことも十分可能です。
最初に徹底的に勉強してリスクを回避するようにしてください。

 

本気で勉強しましょう。
数千万円規模で失敗してからリカバリーするのはかなりの労力がかかります。

 

不動産投資で本当に儲かっている人は誰か
不動産投資で一番儲かっているのは誰でしょうか。
不動産業者でしょうか。物件の売主でしょうか。

 

違いますよね。
一番儲かっているのは、融資をしてくれる銀行です。

 

借入額5,000万円を金利3.0%で融資期間30年とした場合、なんと返済総額は7,500万円にもなるのです。
2,500万円儲けですね。

 

ここがポイントです。
銀行は基本的には融資したくて仕方ないのです。
なぜならぼろ儲けだから。

 

昨今は各金融機関は軒並み融資を引き締めています。
以前は比較的簡単に融資に応じてくれた金融機関も融資してくれなくなったと耳にします。
本当にそうでしょうか。

 

属性や金融資産状況の指標値が変更されただけであって、無理な融資をして返済不可となる人を回避しているに過ぎません。
融資の指標値がより明確になったという意味では投資活動にさほど影響はないと考えています。
自分のコントロールできない範囲での投資が制限されたと考えればむしろこの状況は好ましいのではないでしょうか。