良い不動産業者・悪い不動産業者を見分ける4つのポイント

良い不動産業者・悪い不動産業者を見分ける4つのポイント

不動産業者からの提案してくる物件の大半は考えた収益性のない物件です。業者を見極めるための観点を整理します。

良い不動産業者・悪い不動産業者を見分ける4つのポイント

どうも。あけひらです。

 

2018年初めの金融機関の不正融資などの影響でどこの金融期間でも軒並み融資の引き締めが進みました。
2023年現在、おおそよ投資対象物件の3割以上の自己資本を用意するのが普通となっています。
かつてはオーバーローンやフルローンといった融資もできていましたが、いまや現実的ではありません。
物件規模を拡大したい不動産投資家としては厳しい状況になりました。

 

ところで投資用の不動産を購入する際に不動産業者へ依頼する方も多いとは思いますが、どのような基準で選んでいるでしょうか。
明確な選定基準を持たずに不動産業者と付き合うのは危険です。

 

過去の私のように不動産業者の営業トークに流されるままに物件を購入し、後々問題が発生するリスクが高いです。

 

ここでは、「どのような不動産業者と付き合うとリスクが発生する可能性が高いのか」といった観点で、お付き合いを避けた方がいい不動産業者の傾向について書いてみたいと思います。

 

これから不動産投資を始めようと情報収集されている方の参考にしていただけると幸いです。

 

三為業者とは

なによりもまずは、三為(さんため)業者は避けましょう。

 

三為(さんため)業者とは、いわゆる不動産物件の転売屋です。
不動産の売主と買主の間に入って、転売益(いわゆる中間マージン)を得ています。
転売する際に所有権を売主から買主に業者を介さずに移転する「中間省略登記」は現在禁止されています。
ただし、第三者のためにするといった建前で契約を結べば、合法的に中間省略登記ができることといった法律的な抜け道があります。

 

この中間省略登記を行うのが「三為業者」です。

 

第三者のためにする売買契約
(A→B、所有権は直接Cに移転する特約付)
他人物売買契約
(B→C、Aの所有権をCに移転)
この2つの契約を締結し、A→B→Cという譲渡をA→Cと登記ができます。

 

買主目線では、仕入価格に利益を上乗せしたものを購入する。
売主目線では、自分の決めた(合意した)価格にさらに利益を上乗せされて売却される。
もちろん、安く買って高く買うのはビジネスの基本姿勢です。
ただ、法的に合法的であっても個人的な心情であまり良い気持ちはしません。
なぜか三為業者にとってのメリットしかないようなスキームの印象を受けませんか。

 

ちなみに、私が購入した物件を扱っていた三為業者もこのような性質を持っていました。
加えて、高金利かつ融資審査がスピーディな金融機関と結託していました。

 

不動産投資家の利益を考えて提案をしてくれる業者であれば、
金利の低い金融機関から融資を引けるような戦略を提案してもらえるからです。
余計はことを考えさせないくらいのスピード感でクロージング。
このような業者には注意が必要ですね。
前提として、「人を儲けさせたいと考える人なんて世の中には存在しない」と常に頭に置いておくとよいと思います。

 

不動産投資のメリットのみを主張する業者

ビジネスですので当然多くの不動産業者は共通して「とにかく物件を売りたい」という気持ちが第一にあります。

 

私も物件購入までに多くの不動産業者と出会ってきましたが、この点は間違いありません。
たいていの不動産業者には販売ノルマが課せられているはずです。
ノルマを達成しなければならないという会社からの重圧と目の前のお客さんの資産形成を支援すること。
天秤にかけた場合に業者がどちらを優先するのかは言うまでなく、自分のノルマ(売上)優先するでしょう。

 

私が気をつけたほうが良いと思っている属性の方は、自分の年収や勤続年数などに自信のない方で不動産投資を始めたいという方です。
物件を購入したいという強い気持ちから、ついつい業者の言いなりになってしまうケースも見受けられます。
全てを業者任せにしてしまうことは絶対に避けてください。
いまでこそほとんどないとは思いますが、物件購入のために預金残高を改竄したり、
消費者金融に近いところから融資の話を持ってくるなどあらゆる手を尽くして物件を売ろうとしている業者も存在しています。

 

なお、不動産業者は基本的に売るために取り扱う物件のメリットしか説明しません。
初心者で不動産投資に関する知識があまりない状態では物件のチェックポイントもあまり思い浮かばないと思います。

 

そのような時のポイントはひとつ。

 

「良い点だけではなく、デメリットはないのか」とストレートに質問してみてください。
100%メリットしかない物件は存在しないので、デメリットを説明しない業者とは付き合うべきではありません。むしろそういった物件があるのなら、人に売る必要はなく、なんとしてでもお金を用意して自分で買うと思いませんか。
ここでも、「人を儲けさせたいと考える人なんて世の中には存在しない」のマインドが大切です。

 

購入費用の詳細を説明できないこと・オーナー負担分についての明確な説明がないこと
不動産購入時に必要な費用は物件購入代金だけではありません。
初年度だけでも、

 

・不動産登記料
・不動産取得税
・固定資産税
・火災保険料
・手数料
などの物件以外に諸費用が必要となります。

 

目安として、不動産購入費用の7%程度が一般的です。

 

物件にもよりますが毎月の物件清掃費用やインターネット利用費用、建物全体の電気料金や浄化槽の清掃費用など必要となります。
また入居者用に敷地外の駐車場を借り上げているケースもあり、この場合には借り上げ料金が発生することがあります。
さらに金融機関によっては融資条件として毎月の一定の積立額を強制してくる場合もあります。(ちなみにこれは違法行為です。)

 

当然物件は運営していく中で、多かれ少なかれ修繕費用が発生します。
修繕費用のなかでもエレベーターの故障時には高額の修理費がかかりますので、
エレベーター付きの物件購入時には少し気にした方がよいかもしれません。
(エレベーターがなければ意識する必要のないことなので心配事がひとつ消えますね。)

 

その他にも次のようなシミュレーションは事前にしておいたほうが賢明です。
・毎月の家賃収入に対して原状回復費用は平均いくらで想定しているのか
・原状回復費用を回収するためには何ヶ月くらい家賃収入が必要なのか
・空室を埋めるための広告費用はいくらを見込んでいるのか
・そもそも空室率%想定で運営を考えるのか

 

このようなオーナーが負担する費用を詳細に説明しない業者は気をつけた方がよいです。
毎月の固定費やある程度の変動費も折り込んでキャッシュフローを計算しておかないと、
購入した後に想定外の出費に追われて不動産事業を想定どおりに運営できなくなるリスクとなります。

 

節税を目的にした提案

不動産投資のメリットとしてよく聞くのが「節税」ではないでしょうか。
特に新築のワンルームマンションの投資セミナーに行くと、所得税を節税できますというセールストークが多い印象があります。

 

そもそも不動産投資をする目的はなんでしょうか。

 

多くの方にとっては長期的・安定的に家賃収入を得ることが目的だと思います。
不動産投資で節税ができるということは、不動産経営で赤字が生じているということです。

 

不動産投資は、節税効果を抜きにして、その投資物件が不動産賃貸業として成り立つかどうかで判断すべきだと思います。

 

黒字で運営できるということは事業として成立していると言えます。
不動産業者が節税をアピールしてきたら要注意です。

 

レントロールについて詳細な説明がないこと

私はこれが最も重要なポイントのひとつだと実感しています。

 

レントロールとは、その物件から得られる家賃の明細表のことです。
不動産業者から物件を提案される際には提示されるのです。

 

これが売主にとって有利になるように作為的な数字になっていることが割とあります。
私もその事実を知らずに、レントロールの数字を鵜呑みにして痛い目をみています。
まずは次の2つの点を必ずチェックしてください。

 

数字が客観的事実に基づいているのか分析すること。
レントロールに記載されていない項目について、問い合わせること。
たとえば、
周辺の家賃相場は入居率に影響します。
相場と比べて高くないのかを確認し、高い場合には適正価格に見直してチェックしてみてください。
相場は地元の「賃貸仲介会社」やネットで検索条件を指定してチェックできます。

 

偽装入居にも注意が必要です。
これは売買時に売主の関係者に入居させて空室がないように見せかけて、物件を引き渡した後に一斉退去することです。

 

入居時期(入居時期が集中していないか)や入居者属性(同一会社の社員・同一大学の学生・全オーナーの親族者ではないのか)を
確認してください。
特に入居者によっては、常習的に家賃を滞納しているケースがあります。

 

こういったことは物件売買時に不動産業者は当然把握していることです。
売買時には説明責任がありますので徹底的にチェックしましょう。

 

さいごに

また言うまでもなく、物件を購入する際には必ず現地へ行って自分の目で確認してください。
物件周辺にある不動産会社へ行き、類似の物件の平均家賃はどの程度なのか
周辺住民はファミリーが多いのか、単身者が多いのか
なども確認した方がよいでしょう。

 

不動産は数千万円以上の高額な買い物をして長期保有していくことになります。
物件を視察することで失敗のリスクを下げられることを踏まえれば、そのために発生する交通費は安すぎると私は考えています。

 

今回記事にしていることはすべて私が身をもって経験していることです。
今も改善に向けて取り組んでいますが、黒字どころか購入直後から毎月数十万円の赤字が続いており、
正直精神的に辛い状況ではあります。

 

私のようにさすがに無知で無計画で突っ走ってしまう人も少ないとは思います。
不動産投資は物件の力が全てです。
物件の選択肢さえ間違わなければハイリターンではないものの、安定した収益を毎月生み出してくれます。

 

致命的な失敗を避けて、最初から堅実な不動産運営ができることにこの記事が少しでもお役にたてたら幸いです。
ありがとうございました。